平林: |
IEP会議に出席するのはどんな人たちですか? |
母: |
まず、初めてのIEPはアセスメントから始まるの。だから学校区の指定した医者や専門家がまた一からアセスメントをして診断をします。 |
父: |
リージョナルセンターや別の場所で前にアセスメントをしていても、学校区は学校区の提携した医者や心理学者なんかの専門家を使いたがるんです。 |
母: |
それが終わってそれぞれの専門家の報告書ができたら、IEP会議が開かれるの。
IEPには医者、心理学者、作業療法士(OT)、言語療法士(ST)、発達障害の専門家、学校の保健医、親と親の調停役(弁護士やアドヴォケート)など、色んな分野でその子に関わるプロが参加します。
で、基本的に学校区の代表、校長先生や教頭、またはその子の担任の教師と、その調停役が親サイドと話すのよ。 |
平林: |
その、アドヴォケートと呼ばれる人たちがよくわからないんですが? |
母: |
アドヴォケートっていうのは法律の知識を持っている民間の組織の人で、親側にも学校区側にもつくことができるの。
弁護士よりも雇う費用はずっと少ないわ。ただ、弁護士という資格はもっていないけど。
アドヴォケートの中にはIEP専門の人たちもいるのよ。私が雇った人は、障害児を専門にしている人だったわ。 |
平林: |
初めてのIEPの後は、1年毎と3年毎があるんですよね? |
母: |
そうね。あとは学校を変わったりサービスを変えたりするときね。
でも、法律では、親はいつでもIEPを召集することができるのよ。 |
平林: |
IEPをみてみると、始めにデータのページ、現在のレベルのアセスメントと成長分野、次に今後の目標と続きますけど、目標は誰が決めるんですか? |
母: |
それぞれの分野の人たちよ。学術的なものは先生、言語関連のものは言語療法士、というように。
でも親は専門家が出したゴールの提案に意見することはできます。たとえば、うちの子(妹)の場合、去年「友達どうしだけで(先生やセラピストを入れずに)5分間遊べる」というゴールを出されたんだけど、5分なんてまだとても無理、と思ったので2分に変えてもらったし。 |
平林: |
ABAエージェンシーがIEPに参加することもよくありますけど、それは進歩を報告するため? |
母: |
そうよ。とくに学校区がABAのお金を出している場合、報告の義務があるからね。 |
平林: |
現在のロサンゼルス近郊またはカリフォルニアのIEPシステムについてどう思いますか? 長所と短所は? |
母: |
すばらしいと思うわ。長所は、IEPとは書面化された契約であるということ。
その子に関わる人は守らなければいけないし、口約束みたいに後で混乱や論争が起こったりしにくいでしょ。
あとは親の権利が法律で守られているし、IEPの目標が適切でなかったりしたら、それを直すためにまた専門家が集まるわけだから、子供の成長を評価してその子を伸ばそうという専門家の献身は親にとっても嬉しいことなのよ。短所は、そうね、長いことかしら。 |
平林: |
長いというと、IEP会議ってだいたいどのくらいの時間なんですか? |
母: |
よっぽど短いときで30分、長いものになると数時間。とくに初めてのIEPで、アセスメントからそれぞれのゴールやサービスが決まるときは3時間から5時間なんてこともあるわよ。
IEPに関して、親として一番大事なことは、その場でサインしなくてもいい、ということよ。
専門家が出した目標ややり方に賛成できないならサインしなくていいし(その場合は次のIEPが予定される)、たとえ賛成でも、何日か猶予をもらってじっくり考えてみて、それからサインすることもできるの。
会議で突然たくさんの人に色々言われても、納得できるまで時間のかかることってあるでしょう?親がサインしない限りはそのIEPは有効にはならないしね。 |
平林: |
IEPのシステムで変えたいところはありますか? |
母: |
会議の長さかしら(笑)・・・まあそれは冗談として、さっきも言ったように、IEPの仕組みは素晴らしいものだと思うわ。
担任の先生が変わるなんてよくあることだけど、IEPがしっかりしていれば、新しい先生もその子の目標や今のレベルを見極められるし、たとえば他の州に引越したときも同じIEPで通用するのよ。教育に関する法律は州ごとに違うのにも関わらずね。 |