Autistic World
自閉症って暗くって引きこもっている人のこと?と思われている方へ 


この写真をご覧になってこの子は自閉症とわかりますか?
テレビを見て楽しそうに笑っています。


ママやパパとも遊ばないから自閉症ではないです。
パパのこともママのことも大好きです。
それを言葉にして言うのが苦手なんです。
そしてパパやママも気持ちを子どもに伝えようと必死です。

息子は中度もしくは重度の精神遅滞(知的障害)を伴う、典型的自閉症です。
見ためはごくごく普通の男の子。遊ぶのだって大好きです。
しかし、表現方法がみんなと違います。感じ方も違います。

彼らの特徴や表現方法を自閉症をもつパパやママたちは自分の時間も惜しまず、
 必死で理解し、子どもが将来、自立して生きていかれるようにとがんばっています。

車椅子に乗っているわけではない、盲導犬を連れているわけでもない 
普通に見えてもハンディを持つ人たちがこの世界にはたくさんいることを・・・・ 
お友達や家族にこういう子もいるとお話をしてみてください。

かわいそうと思わずに応援してください。

子供を愛する気持ちや子供の能力を
最大限引き出そうとする情熱は誰にも負けない、
それはみんな一緒です。

 

えっくんが良くなる日まで

第4回手作りで楽しいセラピー 

渡米してから早いもので一年が過ぎました。

こちらに来たばかりのころ、不安とホームシックでずいぶんと つみきの会の皆さんに勇気づけられ、励まされてきました。

息子、えっくんですが、プリスクールを6月12日で終了し、9月からは キンダーガーデンで一日6時間を過ごす予定です。

この一年を振り返ってみると、いろいろなことがありました。

はじめて、スクールバスに乗っての登下校、セラピストさんを迎えて ABAが始まり、月2回のスタッフミーティング、月2回の学校の先生とのミーティング、週2回の言語療法と、週1回のOTに通っています。

私自身のカレンダーも月曜日から土曜日まで毎日予定がびっしりと詰まっており、忙しい日々を過ごしております。

5月には息子が腕を骨折するという痛ましい経験をさせてしまいましたが ギブスをはめながらも、元気に過ごしております。


この写真は骨折したて病院から帰ってきたときに写した物で痛そうにしております。

現在はギブスにもなれ またお得意のジャンプを開始 いたしました。

さて、前回のレポートから、すでに4ヶ月近くが過ぎましたので、新たに 更新された課題と家庭での様子など一年を振り返りながら写真とともにご紹介させてください。

−積み木の模倣−

写真をみせて、積み木をつんでいきます。


1ページ目

2ページ目

3ページ目

初期の段階では上ようにして一つずつ増やして写真にとり 本のようにページをめくりながら、積んでいきました。

現在では下のような一枚の写真だけで、積み木を積むことができます。

 

−名前を教えます−

名前を写真とマッチングで教えます。

まずは本人の写真をよういして、下に名前を書きます。

最初は本人の名前だけでできるようになったらママ、パパと字を増やしていきます。

また家族やお友達の写真もかえてマッチングします。

また一文字のマッチングにも挑戦中です。

 

−種類別の訓練−

お皿に動物、家具、食べ物 などの写真を一枚づついれて たくさんの写真をばらばらにして渡し、「わけてごらん」と指示をだします。

いろいろな振り分けができます。

色やお金、2Dが難しければ3D でやってみましょう。

 

−色いろいろ−

 

風船を膨らませて、「これ何色?」と 聞きます。

同じ色のカードを 選ばせます。

風船を使った理由は、時間をかけて見る事ができるのと、子どもが喜ぶのでそのまま強化子として使えるからです。

こちらも色を教えます。

トランポリンで飛んだ後、「みどり」と言って、みどりに飛べたら褒めます。

 

右の写真はホームセンターで安い透明のホースを買ってきて 色のゴムテープで輪にした物です。

ケンケンの練習をしたり 電車ごっこも楽しいですね。

こちらの輪はつみきの会の定例会に出席したときに 会員の方に作り方を教えていただきました。

こちらも色のマッチングですが 指先の運動を兼ねて作りました。

集中力も身につきます。

PECSを使います。

このペン何色?と聞きます。

 

「それは黄色です」と答えられるようになりました。

できなければ、プロンプトして褒めます。

 

 

−♪PECSで音楽♪−

 ♪幸せなら手をたたこう♪

 PECSをつかって動作模倣をいれながら、手をたたいたり、足踏みします。 PECSのトレーニングを楽しくするために、また視覚ですと音のスピードに ついていく事が楽にできました。

上の絵の一部はパステル王国というページで絵をかいていただきました。
 http://pastelou.fc2web.com/

もう一曲♪♪♪

 ♪いちろうさんの牧場で♪

動物の泣き声は発音の練習に適しています。

現在通っています、言語療法の先生は 動物の鳴き声をよく使って訓練をします。

大嫌いだった発音の訓練もこれで笑いながらできるようになりました。

 

−はさみを使った訓練−

息子ははさみで丸を切るという訓練を学校と家とでしていました。

まず、はさみの持ち方をプロンプトして教えました。

ここまでで5ヶ月くらいかかりました。

やっとはさみを持つ事ができるようになったので、直線に切る訓練をしました。

次に切って途中で止める訓練は直線を書いて、赤く丸印をして そこがストップサインと教えました。


丸の下の緑はスタートサイン赤はストップサイン これは丸を書く練習にも使いました。

またクレヨンを正しくもてなかったのですが、クレヨンを短く折って 使うと、正しい持ち方で書けるようになりました。

学校のIEPの書類の中にはぬりえを2分以上できるようにしましょうなどと 書かれて3ヶ月後に30秒以上、半年後に1分以上、そして一年を通して 2分以上のぬり絵ができるようにと書かれています。

 

−PECSを使った社会勉強−

えっくんはレストランでは食事ができません。
私達家族はほとんど 外食をしません。
しかし、マックにはこのPECがあれば行く事ができるようになりました

マックにPECSを持って行きます
自分でPECSを使って オーダーをします
お金も自分で払います

 

※失敗談!!このPECSを教えてから、毎日のようにマックに行きたがります。

えっくんの教材を少しご紹介させていただきましたが ほとんどが手作りのものです。

セラピストさんと共同でつくります。

初期のころはえっくんのために判りやすい教材というよりは セラピストさんが使いやすい教材を意識して作りました。

楽しいセラピーの中で、息子は最近、自慢げな顔をするときが あります。

できた!という喜び、また間違えないように セラピストさんの顔色をみて、答えを選ぶときがあります。

セラピストさんは無表情を作るのに必死です。

また、セラピー中、表出言語の少ないえっくんですが、 なぜかセラピストさんと会話をしているのうな雰囲気を感じます。

少しでも、ご紹介させていただいた教材からヒントを得て 子どもたちが良くなっていってくれたらと願っております。