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応援して下さる先生方つみきの会では、多くの専門家の先生方にゲスト会員になっていただいています。その中から、特にお世話になっている二人の先生をご紹介します。
井上雅彦先生
プロフィール 鳥取大学大学院医学系研究科 臨床心理学講座 教授(応用行動分析学)
井上先生ホームページ http://www.masahiko-inoue.com/
井上先生の主な著書
「家庭で無理なく楽しくできる生活・学習課題46-自閉症の子どものためのABA基本プログラム」学習研究社、2008年
「自閉症支援-はじめて担任する先生と親のための特別支援教育」(井澤信三先生との共著)明治図書出版、2007年
「発達障害の子を育てる家族への支援」(柘植雅彦先生との共著)金子書房、2007年
井上先生からのメッセージ
ABAは子どもさんを理解し、一人ひとりの子どもさんにあったかかわり方や学習の仕方を知るための、そしてなにより子どもさんのこころの扉をひらく鍵のようなものだと思います。ABAには長年の研究の中で科学的に証明されたさまざまな療育のエッセンス、つまり行動変容の原理があり、すぐれた技法が多く紹介されてきています。またこれらの知見はTEACCHプログラムやポーテージプログラムなど多くのプログラムに取り入れられています。しかし一つ一つのプログラムはすべてのお子さんにそのまま当てはまるものではなく、それぞれの子どもさんにあったアレンジが必要です。それにはABAの基礎的な原理を学ぶ必要があります。
つみきの会には、ABAを学んだ多くの先輩の親御さんやセラピストさんがおられ、子育てや療育の様々な疑問や悩みに、同じ目線から一緒に考えてくださいます。家庭でABAにもとづいた療育を続けていくコツは、子どもさん自身の、そして自分たちのペースで走っていくことだと思っています。同じ診断名やタイプの子どもさんでも、その時々の成長の時期によって学習のペースは違いますし、変わってきます。会の中には自分や自分のお子さんと同じペースで走っている仲間がきっと見つかるはずです。つみきの会がそんな出会いの場になれば、そして私もその中でお手伝いができればと考えています。
安原昭博先生
プロフィール 小児科医、安原こどもクリニック院長、YCCこども教育研究所代表理事,関西医科大学小児科非常勤講師
安原先生のホームページ http://www.y-c-c.jp/index.html
安原先生の主な著書「ADHD・LD・アスペルガー症候群かな?と思ったら…」明石書店、2007年
安原先生のメッセージ
1997年に藤坂さんとお会いして自閉症に対するABA(行動療法)のことを知りました。すでに12年がたちます。初めて行動療法の関係の本を読んだのはキャサリン・モーリスの「わが子よ、声を聞かせて-自閉症と闘った母と子-」でした。私は、自閉症は治らないと教えられていたので大変興味深く読んだのを覚えています。
その後、行動療法による治療を考え直し、自閉症を治そうと試みるようになりました。ローバースの行動療法だけでなく、応用行動分析や種々の治療法について勉強を始めるきっかけになりました。そのころに出会った自閉症の子ども達は、すでに中学生、高校生になっています。子ども達はそれぞれ立派に成長されています。現在、自閉症は治らなくても、とても改善し得るものであると確信しています。
自閉症は病気というよりも特徴ある性格なのではないでしょうか。少しでも現代社会で過ごしやすく成長するように教育してあげるべきと思います。ABA(行動療法)は自閉症だけでなく、すべての子ども達を健やかに成長させるための教育方法の一つであり、教育の根底にある方法と考えられます。つみきの会の皆さん、あきらめないでがんばってください。私たちもできる限りのお手伝いはします。
高原史郎先生
プロフィール 大阪大学医学系研究科・先端移植基盤医療学寄附講座 教授(臓器移植学),(一般社団法人)日本移植学会 前理事長,厚生労働省保険局医療課 医療技術参与,(公益財団法人)大阪腎臓バンク 常任理事 つみきの会顧問
高原先生のホームページ http://www.med.osaka-u.ac.jp/introduction/research/endowed/transplantation
高原先生の主な著書高原史郎「臓器移植の歴史と現状」医学のあゆみ 261(11):1115-1119, 2017
T.Tsunoda,R.Yamashita,S.Takahara: 「Risk Factors for Depression After Kidney Transplantation」 TRANSPLANTATION PROCEEDINGS Vol.42 No5,1679-1681,2010
高原先生のメッセージ
私は腎臓移植を専門とする外科医です。臓器移植を待っている患者さんや既に移植された人たち、生体ドナーになった人は心の病を持っている方々が多いのが現状です。私は臨床心理士の方々の研究に長年協力してきました。
今年の春に藤坂龍司さんとお会いする機会があり、つみきの会のABA家庭療育を知りました。ABAは数少ない、エビデンスに基づいた療育プログラムであると認識しています。そして私は藤阪さんの「少しでも健常に近づけよう」という方針に賛同します。
私は公益法人および学会の役員として、そして厚生労働省保険局の顧問として行政の方々と接する機会が多くあります。
欧米ではABA療育が社会保険などの補助を得ている国々がありますが日本ではまだ公的補助はありません。
これからつみきの会が活動を広げるなかで行政やメディアなどを対象とした外向きの活動が増えると思われます。微力ながら私もお手伝いできれば、と考えております。

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